季節が変わるとともに、肌の乾燥が気になり始める人は少なくありません。
「今まで使っていた化粧水が合わなくなった」
「保湿しても、すぐにカサつく」
「粉をふくことが増えた」
こんな悩みは、冬だけでなく、一年を通して起こることがあります。
多くの人は乾燥対策として“外側のケア”に目を向けがちです。
もちろん保湿はとても大切ですが、それだけでは追いつかない時期があるのも事実です。
肌は身体の一部であり、身体の内側の状態をそのまま映し出す鏡のようなもの。
水分、油分、栄養、巡り、生活リズムなど内側の環境が乱れると、どれだけ外側をケアしても、どこか不調が残ってしまいます。
つまり、乾燥肌は“外側と内側の両方”を整えることで、よりラクに過ごしやすくなるのです。
この記事では、
・乾燥肌の背景にある身体の変化
・乾燥しやすい人のセルフチェック
・乾燥をやわらげやすい食べ物・飲み物
・避けたい食べ物
・今日から試せる食習慣
を丁寧にまとめています。
特別な食材は必要ありません。
今日から取り入れられる、普段の食卓にある食材ばかりです。
乾燥肌はなぜ起こるの？
肌の乾燥と聞くと「保湿不足かな？」と思いがちですが、実際にはもっと複雑です。
とくに現代人は、生活リズム・ストレス・気候の変動など、肌に影響を与える要因が非常に多くなっています。
ここでは、乾燥肌が起きる背景を、できるだけシンプルに解説します。
乾燥肌の原因１ 身体の水分が不足している
「水分不足」と聞くと、のどの渇きを意識するかもしれませんが、身体の内部でも水分は常に使われています。
汗や尿だけでなく、呼吸でも水分は失われているため、気づかないうちに不足しやすい状態になります。
特に冬は空気が乾燥し、湿度も低いため、水分が逃げやすくなります。
乾燥肌の原因２ 良質な油が不足している
肌のうるおいは、水分と油分のバランスによって保たれています。
油分が不足すると、肌のバリアが弱まり、外からの刺激に敏感になりやすくなります。
「油は太るから控えめにしている」という女性は少なくありませんが、油分を取りすぎていないかよりも、どんな種類の油を摂っているかが重要です。
乾燥肌の原因３ 冷えによる巡りの低下
身体が冷えると、血の巡りがゆっくりになり、肌へ水分や栄養が届きにくくなります。
乾燥肌の人の多くに、実は「冷え体質」が隠れています。
乾燥肌の原因４ ストレス・睡眠の不足
ストレスが続くと自律神経が乱れ、肌のターンオーバー（生まれ変わり）が不規則になりがちです。
寝不足の翌日に肌が乾燥しやすくなるのもこのためです。
乾燥肌の原因５ 栄養の偏り
ダイエット、外食の続き、忙しさ……。
いつの間にか栄養が偏っている人も少なくありません。
特にたんぱく質不足やビタミン不足は、乾燥につながりやすいです。
あなたはどのタイプの乾燥肌？
乾燥肌と一口にいっても、その原因や出方は人によって違います。
まずは、自分がどんな状態かを知っておくことが、ケアの第一歩です。
当てはまる項目にチェックを入れてみてください。
【乾燥肌セルフチェック】
- 肌が粉をふくことがある
- 季節が変わると乾燥が悪化する
- 唇がよく乾く
- 肌が赤くなりやすい
- 手や背中も乾燥しやすい
- 冷えを感じることが多い
- 水をあまり飲まない
- 食生活が偏りがち
- 夜遅い食事が続いている
- ストレスを感じることが多い
3つ以上あてはまる人は、食事の見直しが乾燥対策に役立ちやすいタイプです。
まずは「できそうなことをひとつ」選んで、無理のないペースで取り入れてみてください。
乾燥肌にやさしい食べ物と理由
ここからは、乾燥肌が気になる時期に“積極的に取り入れたい食べ物”をご紹介します。
どれもスーパーで手に入る、身近なものばかりです。
良質な油を含む食べ物
油は「悪者」とされやすいですが、肌にとってはとても大切な存在。
肌の水分を閉じ込める役割を持つため、良質な油が不足すると乾燥しやすくなります。
おすすめ食材
- アボカド
- ナッツ（アーモンド・くるみ）
- オリーブオイル
- ごま
- 鯖・サーモンなどの青魚
- えごま油・亜麻仁油
手軽な取り入れ方
- サラダにナッツを加える
- スープにオリーブオイルをひとたらし
- ごはんにえごま油を小さじ1だけかける
- 朝食にアボカドを半分添える
油を“足す”というよりも、良質な油に置き換える感覚で続けると自然に習慣化します。
たんぱく質
肌の細胞はたんぱく質から作られているため、不足すると乾燥しやすくなります。
とくに忙しい人は意識しないと不足しがちです。
おすすめ食材
- 卵
- 豆腐・納豆・味噌
- 鶏肉・豚肉
- 魚（サーモン・鯖）
- ヨーグルト
手軽な取り入れ方
- 朝食にゆで卵を1つ追加
- みそ汁に豆腐を入れる
- サラダにサラダチキンを少し乗せる
- ヨーグルトをおやつに
水分を保ちやすい食材
水分が多い食材は、身体にやさしく水分を届けてくれます。
おすすめ食材
- トマト
- きゅうり
- ズッキーニ
- 白菜
- 梨・りんご
- みかん
手軽な取り入れ方
- 朝食を果物＋ヨーグルトに
- スープに白菜やズッキーニを入れる
- 料理の付け合わせにトマトを加える
コラーゲンを含む食材
コラーゲンは肌の土台づくりに欠かせない栄養です。
おすすめ食材
- 鶏手羽
- 魚の皮
- 牛すじ
- ゼラチンを使ったスープ
手軽な取り入れ方
- 鶏手羽スープを作る
- お味噌汁にゼラチンを小さじ1入れる
- 魚を皮ごと焼いて食べる
ビタミンC・ビタミンE
乾燥対策に欠かせないビタミン。
ビタミンC
- キウイ
- ブロッコリー
- パプリカ
- 柑橘類
ビタミンE
- ナッツ類
- かぼちゃ
- アボカド
ビタミンCとEは組み合わせて摂るとバランスが整いやすいとされています。
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乾燥肌に控えめにしたい食べ物
乾燥肌を「悪化させる」というわけではありませんが、肌が敏感になりやすい時期には、少し意識して量を控えることで、身体がラクに感じられることがあります。
ここでは、生理中や季節の変わり目など「いつもより肌が乾燥しやすい」と感じる時期に、ゆるく気をつけたい食べ物をご紹介します。
ポイントは“絶対にやめる”ではなく、身体の状態に合わせて少し調整するという考え方です。
スナック菓子
スナック菓子は、油と塩分が多めに含まれているものが多く、身体の水分バランスが乱れやすい傾向があります。
特に乾燥しやすい季節は、身体がデリケートになっているため、こうした食品を多く食べると、のどが渇きやすくなったり、肌の乾燥をより感じることがあります。
とはいえ、どうしても食べたくなる日もありますよね。
そんなときは、
- 袋を全部食べずに小皿に移す
- 温かい飲み物と一緒に食べる
- ナッツや果物を少し混ぜる
など、小さな工夫で負担を軽減できます。
ファストフード
ファストフードは「手軽で満足感が高い」反面、油の量が多く、胃腸に負担がかかりやすい食べ物です。
胃腸が疲れると、消化吸収がスムーズにいかず、結果として肌への栄養が届きにくくなる人もいます。
「忙しくてこれしか食べられない」という日ももちろんあります。
そんなときは、
- サイドをポテトからサラダやスープに変える
- ドリンクをハーブティーやお茶にする
など、ほんの少しの調整で身体がぐっと楽になります。
コーヒーの飲みすぎ
コーヒーそのものが悪いわけではありません。
ただ、カフェインが多い飲み物を大量に飲むと、体内の水分が逃げやすくなることがあります。
「コーヒーが好きだけれど、乾燥が気になる」という人は、1日1〜2杯を目安にしつつ
- 午後はデカフェに切り替える
- 合間に白湯を飲む
などの方法で調整すると無理なく続けられます。
コーヒーの香りや味が“気持ちを落ち着ける役割”をしている人も多いので、無理に我慢する必要はありません。
冷たい飲み物
乾燥肌の人の多くが、実は「冷え」を抱えています。
冷たい飲み物は身体の内側から温度を下げてしまい、巡りが滞りやすくなるため、肌へ必要な栄養や水分が行きにくくなることがあります。
特に朝いちばんの冷たい飲み物は、胃腸が驚き、身体の働きがゆっくりになってしまうことも。
乾燥が気になる季節は、
- 常温の水
- 白湯
- 温かいお茶
を選ぶだけで、身体がやさしくゆるむのを感じられることがあります。
“禁止”ではなく、“ちょっと控える”で十分
乾燥肌を整えるうえで大切なのは、制限ではなくバランスです。
好きなものを完全にやめる必要はありません。むしろ、無理な制限はストレスを増やし、結果として肌に影響することもあります。
「今日は少し控えてみよう」
「次に食べるときは量を減らしてみよう」
そんな柔らかい意識で十分です。
あなたの身体が心地よく感じるリズムを大切にしながら、続けられる範囲で調整してみてください。
乾燥肌を整える飲み物
乾燥肌対策として、スキンケアや食べ物に意識が向きやすいですが、実は飲み物の選び方がとても大切です。
水分が不足すると、肌の水分バランスが乱れやすくなるため、どれだけ外側のケアをしても追いつかない…ということもあります。
「何を飲むか」「いつ飲むか」「どんな温度で飲むか」。
こうした小さな積み重ねが、乾燥しやすい季節の肌をやさしく支えてくれます。
おすすめの飲み物
白湯
もっとも手軽で、身体に負担の少ない飲み物です。
白湯は胃腸をやさしく温め、巡りがふっと整いやすくなります。
とくに朝いちばんの1杯は、身体がじんわりと目覚めるように感じる人もいます。
- 40〜50度程度のぬるめ
- ゆっくり口に含むように飲む
この2点を意識すると、より身体になじみやすくなります。
ほうじ茶
カフェインが比較的少なく、香ばしい香りがリラックス感をもたらしてくれます。
食事とも合わせやすく、夜でも飲みやすいのが魅力です。
乾燥でのどが敏感になっている時期にもやさしい飲み物です。
ルイボスティー
ノンカフェインで、日中も夜も飲みやすい飲み物のひとつ。
クセが少ないので続けやすく、体を冷やしにくいと言われるお茶でもあります。
忙しい日でも、水代わりに飲めるので、白湯が苦手な人にもおすすめです。
生姜湯
身体を内側から温めてくれる飲み物。
冷えやすい人が乾燥しやすいのはよくあるパターンで、生姜湯はその両方をやさしくサポートしやすい飲み物です。
粉末でも良いですが、生の生姜をすりおろすと、香りが立ちやすく、身体にスッと入るやさしさがあります。
味噌汁
飲み物でもあり、食べ物でもある味噌汁は、塩分・水分・発酵食品をまとめて摂れる万能アイテム。
温かい汁物は胃腸への刺激も少なく、乾燥が気になる日は特におすすめです。
具を多めにすれば、自然と栄養バランスも取りやすくなります。
控えめにしたい飲み物
氷入りの冷たい飲み物
身体を内側から冷やし、巡りを滞らせやすくなります。
巡りがにぶると、肌に水分や栄養が届きにくくなり、乾燥を感じやすい原因に。
どうしても冷たいものが飲みたい時は
- 氷を1〜2個に減らす
- 常温の水を混ぜる
などの工夫で負担を減らせます。
カフェインの多い飲み物の飲みすぎ
カフェインは適量であれば問題ありませんが、量が多くなると身体の水分が逃げやすくなることがあります。
肌の乾燥が気になる時期は、
- コーヒーは1〜2杯に
- 午後以降はデカフェにチェンジ
- 合間に白湯を飲む
などの調整がおすすめです。
温かい飲み物は肌にもやさしい
飲み物を温かいものに変えるだけで、身体がふっとゆるみ、巡りが整いやすくなることがあります。
巡りが整うと、肌に必要な水分や栄養が届きやすくなるため、結果として乾燥の悩みがやわらぎやすくなります。
特別な飲み物を用意する必要はありません。
「冷たいものを温かいものに変える」
この小さな習慣だけでも、乾燥しやすい季節の支えになります。
食べ方の工夫で乾燥肌はさらに整う
乾燥肌を整えると聞くと、「何を食べればいいの？」という点ばかりに目が向きがちですが、実は“どう食べるか”も同じくらい大切です。
食べるタイミングや温度、食べ方のクセが、肌のうるおいや身体の巡りにじんわりと影響していきます。
ちょっとした工夫を積み重ねるだけで、日々の食事が乾燥対策の味方になってくれます。
乾燥肌の人が意識しておきたい食べ方のポイントを、理由とあわせてご紹介します。
温かい食事を意識する
乾燥肌の人の多くが「冷え」を抱えているため、冷たい食べ物や生の食材ばかりになると、胃腸が驚き、巡りが滞りやすくなることがあります。
温かい食事は、身体がほっとゆるみやすく、栄養の消化吸収にもやさしい選択です。
朝・昼・夜のどこか1食でも意識して「温かい料理を選ぶ」だけでも、身体の状態が変わりやすくなります。
スープを毎食1品
乾燥が気になる人にとって、スープはまさに“万能ケア”。
水分・野菜・温かさを同時に補えるため、身体に負担なくうるおいを届けてくれます。
例えば、
- 具だくさん味噌汁
- 野菜スープ
- 豆腐入り中華スープ
どれも手軽で、取り入れやすいメニューばかりです。
胃腸が疲れている時にも入りやすく、乾燥している時期の「ちょっと元気が出ないな」という状態をやさしく支えてくれます。
よく噛んで食べる
噛むことで唾液が出やすくなり、食べ物の消化吸収がスムーズになります。
胃腸への負担が減ると、肌に届けられる栄養も整いやすくなるため、乾燥が気になる時期こそ“噛む”ことが大切です。
ポイントは、
- ひと口につき20〜30回を目安に
- テレビやスマホを見ながらではなく、味わうように食べる
噛む回数を増やすだけでも、満足感が高まり、無理なく食のバランスが整います。
夜遅い食事を避ける
夜遅くに食べると、胃腸の働きがゆっくりになりやすく、寝ている間の肌の再生に影響が出やすいと言われています。
肌が乾燥しやすい人にとって、睡眠中にしっかり身体が休まることはとても大事なポイント。
もしどうしても遅くなる場合は、
- スープ
- 豆腐
- 野菜中心の軽いメニュー
など、消化のやさしい食事を選ぶと身体への負担が減ります。
無理に油を控えすぎない
「油は良くない」と思われがちですが、肌にとっては大切な“バリア”をつくるための材料です。
油を極端に控えると、かえって肌が乾きやすくなることがあります。
乾燥が気になる時期は、
- オリーブオイル
- ごま油
- ナッツ
- アボカド
など、良質な油を少しだけ意識して足してあげると、肌がうるおいやすい環境を整えられます。
朝食を抜かない
朝食を抜くと、身体がエネルギー不足になり、巡りがゆっくりになりやすくなります。
巡りが滞ると、肌に必要な水分・栄養が届きにくくなるため、乾燥が強く感じられる人もいます。
忙しい朝でも、「何か少しでも食べる」がポイントです。
スープは乾燥肌の味方
スープは、乾燥肌が気になる人にとってとても心強い存在です。
身体をやさしく温めながら、胃腸にも負担が少なく、栄養も自然と摂りやすいもの。
たとえば、
- 野菜の水分
- 豆腐や卵のたんぱく質
- 海藻のミネラル
- 味噌の発酵成分
これらが無理なく取り入れられるため、乾燥対策にも役立ちます。
「どれだけ食べるか」よりも、「どんな状態で食べるか」。
その小さな違いが、乾燥肌をやさしく整える土台になっていきます。
1日の乾燥肌ケア食事モデル
「何を食べればいいのか分からない」「毎日考えるのが大変」そんなときは、完璧を目指すよりも1日の流れをイメージすることが助けになります。
ここでは、特別な食材や手の込んだ料理を使わず、日常の中で無理なく取り入れやすい乾燥肌ケアの食事例をご紹介します。
すべてを真似する必要はありません。気になるところを、できる範囲で取り入れてみてください。
朝
- 白湯
- 卵
- 味噌汁
- フルーツ（りんご・キウイ）
- おにぎり
昼
- サーモンとアボカドのサラダ
- 野菜スープ
- ナッツ少量
夜
- 鶏手羽と野菜のスープ
- 豆腐
- ブロッコリーの温野菜
このようなシンプルなメニューでも、乾燥肌のサポートになります。
まとめ
乾燥肌はスキンケアだけではなく、身体の内側からのケアがとても大切です。
難しい特別な食事は必要なく、今日からできる小さな工夫で、肌がゆらぎにくい状態を作ることができます。
・良質な油
・たんぱく質
・ビタミンC・E
・温かい食事
・水分を意識した食材
こうした食生活の積み重ねが、少しずつ肌の調子を整えるサポートになります。
毎日完璧にする必要はありません。
あなたのペースで続けやすいところから、少しずつ取り入れてみてください。
乾燥が気になる季節も、あなたが心地よく過ごせるよう、身体の内側からやさしく整えていきましょう。
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