はじめての東洋医学|陰陽五行でわかる自分のカラダの整え方

朝起きてもなんとなく体が重い、季節の変わり目に必ず不調が出る——。
そんな“ちょっとした違和感”を放っていませんか?

実はそれ、体のバランスが少し崩れているサインかもしれません。

東洋医学では、人の身体を「自然の一部」ととらえ、気候や食べ物、感情の変化までも含めた全体の調和を大切にします。

この記事では、難しく聞こえる「陰陽五行(いんようごぎょう)」を、はじめての方でもわかるようにやさしく解説。

体の声を聞くためのヒント、そして今日からできるセルフケアまでを丁寧に紹介します。

 東洋医学とは?“全体を見る”という考え方

「東洋医学」と聞くと、漢方や鍼灸を思い浮かべる人も多いですよね。

でも、その本質は「不調の根本を見つけること」。

西洋医学が「悪い部分を特定して治療する」のに対して、東洋医学は身体全体の巡りとバランスを整えることを目的としています。

たとえば肩こり一つとっても、

  • ストレス(気の滞り)
  • 冷え(血の巡りの低下)
  • 食べすぎ(内臓の疲れ)

    など、原因はさまざま。部分的ではなく“全体のつながり”で見ていくのが特徴です。

豆知識:未病(みびょう)とは?

「病気ではないけれど、なんとなく不調」。

このグレーゾーンを整えるのが東洋医学の得意分野です。

つまり、「体調を崩す前に整える」予防の医学なんですね。

陰陽論 ― バランスでとらえる心と身体

東洋医学の基本は、すべてを「陰」と「陽」という2つのエネルギーの関係で考えること。

  • 陰=静、冷、夜、休息、女性的
  • 陽=動、温、昼、活動、男性的

日が昇ると動き出し(陽)、日が沈むと休む(陰)——。

このリズムが自然であり、私たちの体も同じリズムで生きています。

たとえば、

  • 陰が強すぎる → 手足が冷える、やる気が出ない、むくみやすい
  • 陽が強すぎる → 顔がほてる、イライラ、不眠

陰と陽のどちらかが優勢になりすぎると、体も心もアンバランスになります。

だから、「動く」と「休む」をセットで意識することが大切

 暮らしのヒント

朝は太陽の光を浴びて「陽」をチャージ、夜は照明を落として「陰」を整える。
スマホを手放すことも立派な“陰の時間づくり”です。

 五行論 ― 5つの要素で自分を知る

五行(ごぎょう)とは、自然界や人の体の働きを「木・火・土・金・水」の5つの要素に分けて考える理論。

春・夏・長夏・秋・冬と季節にも対応し、心や感情にも深くつながっています。

五行を知ることは、自分の“取扱説明書”を読むようなもの。

身体の弱点や整え方が見えてきます。

 ストレスでイライラしやすい人 ― 木(肝)タイプ

感情の「怒り」と関係が深く、緊張や我慢が続くと気(エネルギー)の巡りが滞りやすいタイプ。
肩こり・頭痛・目の疲れ・PMSなどが出やすく、深呼吸が浅くなるのも特徴です。

 整え方のポイント

・思考を止めて、まず息を吐く。
・自然の中を歩く、香りを楽しむ。

おすすめ食材・飲み物

柑橘類、しそ、緑の野菜、レモン白湯、ジャスミンティー。
酸味と香りで“気”を流すことがリセットのカギです。

のぼせやすく落ち着かない人 ― 火(心)タイプ

感情の「喜び」に関係しますが、興奮が続きすぎると心が疲れてしまいます。
顔のほてり、動悸、不眠、焦りやすいなどの症状が出やすいタイプ。

整え方のポイント

・深呼吸で「熱」を下ろす
・夜は早めに照明を落とす
・「嬉しい」「楽しい」も休ませる

おすすめ食材・飲み物

トマト、ゴーヤ、緑茶、カモミールティー、ミントティー、ほうじ茶。
苦味のある食材や香ばしい香りが、熱を静めてくれます。

胃腸が弱く疲れやすい人 ― 土(脾)タイプ

「思い悩む」「考えすぎる」といった感情と関係があり、胃腸が疲れやすいタイプ。
食後に眠くなる、甘いものがやめられない、むくみやすい傾向も。

整え方のポイント

・冷たい飲み物を控える。
・食事はよく噛んで、腹八分目に。

おすすめ食材・飲み物

かぼちゃ、にんじん、さつまいも、甘酒(ノンアルコール)、黒豆茶、ほうじ茶。
甘みのある食材がエネルギーを補い、胃腸をやさしく支えます。

乾燥しやすく肌が荒れやすい人 ― 金(肺)タイプ

感情の「悲しみ」とつながり、乾燥や冷たい空気に弱いタイプ。
咳・鼻の不調・肌トラブルが出やすく、呼吸が浅くなりがちです。

整え方のポイント

・深くゆっくり呼吸する。
・部屋を加湿し、潤いを補う。

おすすめ食材・飲み物

大根、梨、白ごま、白きくらげスープ、はちみつ白湯。
白い食材が“肺”を潤し、呼吸を整えます。

冷えやすく疲れが抜けにくい人 ― 水(腎)タイプ

感情の「恐れ」と関係し、体のエネルギーの根っこを司るタイプ。
腰痛、足の冷え、むくみ、朝のだるさが出やすく、冬の不調もこのタイプに多いです。

整え方のポイント

・下半身を冷やさない。
・湯船に浸かって深呼吸を。

おすすめ食材・飲み物

黒豆、昆布、山芋、黒ごま、あずき茶。
黒色・塩味の食材が腎を補い、体の芯から温めてくれます。

 日常でできる!陰陽五行のセルフケア実践5選

  1. 朝は白湯でスタート
    ぬるめの白湯を一杯飲むだけで、内臓が目覚めて代謝がアップします。

  2. 季節の食材を楽しむ
    春は緑の野菜、夏は苦味、秋は潤い、冬は黒い食材。旬を食べるだけで自然と整います。

  3. 感情を抑えず流す
    泣いても笑ってもOK。感情を出すことが「気」の巡りをよくします。

  4. 睡眠のリズムを季節に合わせる
    冬は早寝、春は早起き。自然のリズムに寄り添うだけで体がラクになります。

  5. “今日の体”を観察する
    冷え・むくみ・肌の色など、小さな変化に気づくことが体質改善の第一歩です。

続けるコツ ― 無理せず“調和の習慣”を育てる

東洋医学のケアは「続けること」で力を発揮します。

完璧を目指す必要はありません。

白湯を飲む、香りを楽しむ、季節を意識する——その積み重ねがバランスを整えます。

自然の流れに寄り添う暮らしこそ、あなた本来の美しさと元気を引き出す力になります。

今日も一歩、あなたのペースで“整える時間”を過ごしてみましょう。

こちらの記事も参考にしてみて下さいね!

まとめ|自然と調和する暮らしが、いちばんのケア

東洋医学の知恵は、私たちが「頑張る」ためのものではなく、「自分をいたわる」ためのものです。

忙しい現代に生きる私たちは、つい外の世界に合わせて動きすぎたり、頭で考えすぎたりして、心と身体の声を聞く時間を忘れがちです。

しかし、本当の意味での健康とは、無理なく“自然と調和している状態”。

陰と陽、木・火・土・金・水――このバランスの中で生きることが、心身の安定につながります。

たとえば、朝は太陽の光を浴びて「陽」を満たし、夜は照明を落として「陰」を養う。

季節ごとに旬の食材を味わい、体が求めるリズムに耳を傾ける。

そんな小さな積み重ねが、あなたの体を整える最良のセルフケアです。

そして、陰陽五行の考え方は「今の自分を責めるため」ではなく、「自分を理解するため」の道しるべ。

疲れている時は休んでいいし、泣きたい時は泣いていい。

体や感情の変化は、すべて自然なサインです。

それに気づき、受け入れることこそが“整える”ということなのです。

今日できることは、ほんの小さな一歩で十分です。

朝に白湯を飲む、五感で季節を感じる、深呼吸をして自分に「おかえり」と声をかける。

そうした習慣が、少しずつあなたを本来のリズムへと導いてくれます。

自然に寄り添いながら、無理なく心と身体を整える。

その積み重ねが、やがて「美しさ」と「しなやかな強さ」へと変わっていく。

陰陽五行の知恵は、あなたがより心地よく、より自分らしく生きるための優しい地図なのです。

まどか先生
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著者情報

陰陽五行美容講師 まどか先生
陰陽五行美容講師
まどか先生
美容業界キャリア25年以上。エステティシャンから23歳の時に美容講師に転身し、以来全国のエステティシャンへの講演や技術指導・3万人以上の女性へのアドバイス等を行ってきた経歴を持つ。

元々は顔中にひどいニキビがあったことがきっかけで美容業界に入るが、ハードワークにより冷え・不眠・慢性疲労・生理トラブル等にも悩まされ、美容と陰陽五行ケアで克服。

自身の経験を生かし、どんな方にも丁寧に寄り添い、わかりやすく実践できるアドバイスをすることを大切に講座を開講。
 

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