こんにちは! JYB協会代表理事 森織円香です。
冬になると、どれだけ着込んでも手足が冷たい。
布団に入っても足先が冷えて眠れない。
温かい飲み物を選んでいるのに、体の芯は冷えたまま──。
そんな状態が続くと、「私は冷え性だから」「昔からこうだから」と、諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。
けれど、冷え性は生まれつき決まっているものではありません。
体の使い方、食事、生活リズム、そして体質の理解によって、少しずつ変えていくことができます。
私自身も、かつては平熱が35度台。
肌荒れ、疲れやすさ、気分の落ち込みを繰り返していました。
しかし体質改善によって、今ではその悩みがすっかり解消しました。
今回は、そんな冷えに悩む方におすすめのセルフケアをご紹介します。
女性に冷えが多い本当の理由

「冷え性」は病気ではない?

冷え性は、病院の検査では「異常なし」と言われることが多い症状です。
そのため、周囲から理解されにくく、つらさを我慢してしまう方も少なくありません。
冷え性は主に血流の低下や自律神経の乱れと関係していると考えられています。
体温は、血液によって全身へ運ばれています。
この巡りが悪くなると、手足やお腹など末端から冷えを感じやすくなります。
つまり冷え性は、「体温調節の仕組みがうまく働いていない状態」と言えます。
女性が冷えやすい3つの身体的特徴
女性は、体の構造やホルモンの影響により、冷えを感じやすい傾向があります。
主な理由として挙げられるのが、以下の3つです。
- 筋肉量が少なく、熱を生み出しにくい
- ホルモンバランスの変動を受けやすい
- ストレスによる自律神経の影響を受けやすい
筋肉は、体の中で「熱を作る工場」のような役割を担っています。
女性は男性より筋肉量が少ないため、同じ生活をしていても冷えやすくなります。
また、生理や年齢によるホルモン変化も、血流や体温調節に影響します。
冷えを放置すると起こりやすい不調
冷えは、体の巡りが滞っているサインです。
その状態が続くと、次のような不調を感じやすくなります。
- 肌のくすみ、乾燥
- むくみやすさ
- 疲れが取れにくい
- 生理周期や体調の乱れ
「冷えだけ」と思わず、体からのメッセージとして受け取ってみてください。
冷えのタイプはいくつかある
冷え性には、感じ方や原因によっていくつかのタイプがあります。
- 手足だけが冷たい「末端冷え」
- お腹や腰が冷えやすい「内臓型冷え」
- 全身が寒く感じる「全身型冷え」
同じ冷えでも、必要なケアは異なります。
さらに、陰陽五行の考え方を用いると、自分はどんなタイプか、何が原因で冷えが起きているのかということがわかります。
まずは「自分の冷えはどこから来ているのか」を知ることが、改善への第一歩。
では、陰陽五行を使ってあなたの冷えタイプを紐解いていきましょう。
陰陽五行から見る「冷え性」の正体

陰陽で見る冷え性との関係

あらゆるものを「陰」「陽」に分けてそのバランスから身体の状態などを読み解く考え方があります。
- 陽:温、動、昼など
- 陰:寒、静、夜など
例えば過度な冷たい飲食、夜更かし、ストレスなどが続くと、陽の力が消耗し、体を温めるエネルギーが不足しがちになります。
その結果、冷えを感じやすくなると考えることができます。
五行と冷えの関係
あらゆるものを五つ(木・火・土・金・水)に分けた「五行」という考え方もあります。
臓腑も5つ(肝・心・脾・肺・腎)に分けて考えられており、身体の状態からどの臓腑が弱っているのか、何が原因なのかなどを読み解くこともできます。
冷えと特に関係が深いのは次の二つの臓腑。
- 脾(ひ):消化吸収・エネルギー補給
- 腎(じん):体の土台・生命エネルギーのもと
この2つが弱ると、体は冷えやすくなります。
体質改善が冷え性ケアの近道
一時的に温めても、体質が変わらなければ冷えは戻りやすくなります。
陰陽五行では、身体の状態から何が不足しているのか、何がうまく働いていないのか原因を見つけることができます。
それをもとに、自分の体質にあわせて身体を整えるアクションを起こせます。
日々の積み重ねが、冷えにくい身体づくりにつながるのです。
あなたはどのタイプ?冷え性体質セルフチェック

①陽虚タイプ

陽虚タイプは、体を温めるエネルギーが不足している状態です。
当てはまりやすい特徴
- 手足が一年中冷たい
- 寒がりで、温かい飲み物を好む
- 疲れやすく、動くと消耗しやすい
体のエンジンが弱り、十分な熱を作れなくなっています。
まずは、
- 保温
- 適度に身体を動かす
- 温まる飲食
などで、弱ったエンジンを少しずつ動かすようにしましょう。
②瘀血タイプ
瘀血タイプは、血の巡りが滞りやすい体質です。
当てはまりやすい特徴
- 肩こりや首こりがつらい
- 生理時の不調を感じやすい
- 下半身が冷えやすい
血流が滞ることで、熱が末端まで届きにくくなります。
- 脂質塩分を抑えたシンプルな食事
- 水分補給
などで、血を巡らせるようにしましょう。
気血両虚タイプ
気(エネルギー)と血(栄養)の両方が不足しがちなタイプです。
当てはまりやすい特徴
- 立ちくらみしやすい
- 疲れやすい
- 冷えると下痢をしやすい
これは熱や栄養を運ぶ「血」を身体中に巡らせるためのパワーが足りていない状態。
- 睡眠はしっかりとる
- 遅い時間の食事は控える
このようにして、消耗することをできるだけやめましょう。
脾胃の弱りタイプ
脾胃は、食べたものをエネルギーに変える役割を担います。
当てはまりやすい特徴
- 食後に眠くなる
- 胃腸が重たく感じやすい
- むくみや重だるさを感じる
消化吸収が弱ると、身体を温める材料が不足します。
- 冷たいものを控える
- 精製された砂糖をやめる
こうすることで、脾胃の負担をできるだけ減らしてあげましょう。
腎の弱りタイプ
腎は、生命力の土台とされる重要な存在です。
当てはまりやすい特徴
- 腰や足元が冷えやすい
- 夜間に目が覚めやすい
- 年齢とともに冷えが強くなった
体の深部から温める意識が必要です。
- 下半身中心に温める
- ウォーキング、スクワットなど下半身中心の運動
身体の土台から巡らせるようにしましょう。
冷え性改善の基本は「温める」より「巡らせる」

温めるだけではだめ?

冷え対策というと、
「厚着をする」「カイロを貼る」といった“外から温める”方法を思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろんそれも大切ですが、実はそれだけでは根本的な改善にはつながりにくいのです。
冷えを繰り返す方の多くは、体の中で熱がうまく作れない・運べない状態になっています。
なぜ「温めても冷える」を繰り返すのか
体温は、血液の流れに乗って全身へ届けられます。
いくら外側を温めても、血流が悪ければ、手足の先まで温かさが届きません。
また、ストレスや生活リズムの乱れによって自律神経が緊張すると、血管が収縮し、さらに巡りが悪くなります。
この状態では、「温めてもすぐ冷える」を繰り返してしまいます。
冷えにくい身体づくりのポイント
現代医学では「血流・自律神経」、
陰陽五行では「気血の巡り・陽の力」が重要とされています。
表現は違っても、
「冷え改善の本質は“巡りを整えること”」という点は共通しています。
- 熱を生み出す
- それを全身に運ぶ
- 無駄に消耗しない
この3つを意識することが、冷えにくい体づくりの基本です。
【セルフケア】食事で内側からぽかぽか体質


冷え性改善において、食事は最も影響が大きい要素の一つです。
なぜなら、身体を温める材料そのものが、毎日の食事だからです。
「何を食べるか」だけでなく、
「なぜそれが冷えに良いのか」を理解すると、自然と選び方が変わってきます。
【ケア①】冷え性女性におすすめの温め食材
ここでは、日常に取り入れやすく、冷え対策として使いやすい食材を紹介します。
■ 発酵食品(味噌・納豆・ぬか漬け)
期待できるポイント
- 腸内環境を整えやすい
- 栄養の吸収を助ける
- 自律神経のバランスに関与
腸は、栄養を取り込む入口です。
腸が弱っていると、どんなに良いものを食べても活かしきれません。
■ たんぱく源(鶏肉・卵・大豆製品)
期待できるポイント
- 筋肉の材料になる
- 熱を作る力を支える
- 疲れやすさのサポート
冷え性の方ほど、「量が足りていない」ケースが多い栄養素です。
消化しやすい調理法を選ぶのがポイントです。
■ 体を温める香味野菜・スパイス(生姜・ねぎ・シナモン)
期待できるポイント
- 血流を促す
- 体表だけでなく内側の巡りを助ける
- 食後の冷えを防ぎやすい
特に生姜は、少量でも続けることで体感しやすい食材です。
生ではなく、すりおろして加熱調理に使うのがおすすめです。
【ケア②】冷え性の方が気をつけたい食習慣
冷えやすい人は次の状態になりやすいと考えられています。
- エネルギー不足(摂取量不足・偏り)
- 血流を支える栄養不足
- 自律神経が乱れやすい食習慣
なので、「何を食べるか」だけでなく食べ方や選び方も重要です。
次のような冷えを助長する食習慣は減らしていきましょう。
- 朝食を抜く
- 冷たい飲み物を常に選ぶ
- 甘いものを単体で摂る
これらは、脾胃(消化機能)を弱らせ、
結果的に体を温める力を下げてしまいます。
【ケア③】温活食事を無理なく続ける
冷え改善の食事は、「無理して頑張るもの」ではありません。
- まずは1日1食、温かいものを選ぶ
- 冷たい飲み物を常温に変える
- 味噌汁を習慣にする
一気に変えるのではなく、1日1つでもいいので取り入れてみてください。
小さな積み重ねが、体質をゆっくり変えていきます。
【セルフケア】巡りを良くする生活習慣の整え方


冷え性の改善は、食事だけでは完結しません。
どれだけ身体を温める食材を摂っていても、生活習慣が冷えを助長していれば、身体は元に戻ってしまいます。
ここでは、冷え性の方がまず見直してほしい生活習慣についてお伝えします。
【ケア④】自律神経を整える
自律神経は、血管の収縮と拡張をコントロールしています。
強いストレスや緊張が続くと、交感神経が優位になり、血管は縮こまりやすくなります。
その結果、血液が末端まで届きにくくなり、手足の冷えを感じやすくなります。
冷え性対策にはリラックスできる時間を意識的につくることが欠かせません。
【ケア⑤】シャワーよりも入浴
シャワーだけで済ませる習慣は、冷え性の方には特に注意が必要です。
湯船に浸かることで、身体は水圧と温熱の刺激を受け、血流が全身に行き渡りやすくなります。
おすすめは、38〜40℃のぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かることです。
熱すぎるお湯は交感神経を刺激しすぎてしまい、逆に緊張を高めることがあります。
特に首・お腹・腰をしっかり温めることで、内臓の働きがサポートされ、身体の内側から冷えにくい状態を目指せます。
【ケア⑥】睡眠はたっぷりと
睡眠は、身体を回復させ、エネルギーを蓄えるための重要な時間です。
睡眠が不足したり、質が低下したりすると、身体は十分に回復できず、体温調節機能も乱れやすくなります。
陰陽五行では、夜の時間は「血をつくる時間」とされています。
「血」は全身に熱を運ぶ大切な役割があります。
冷えが気になる方ほど、「早めに休む」ことを冷え対策の一つとして意識してみてください。
【ケア⑦】メンタルケア
冷え性の方を見ていると、「真面目」「頑張り屋」「我慢強い」という共通点が多く見られます。
心が常に緊張していると、身体も緩むことができません。
陰陽五行では、感情の滞りは「気滞」となり、冷えの原因になると考えられています。
好きな香りをかぎ、深呼吸をして、ぼーっとする。
それだけでも気は巡るようになり身体は少しずつ変わります。
【セルフケア】簡単にできる温活ストレッチ&ツボ


冷え性の改善に、激しい運動は必要ありません。
むしろ、冷え性の方が無理な運動をすると、エネルギーを消耗し、逆効果になることもあります。
ここでは、続けやすく、体への負担が少ない方法をご紹介します。
【ケア⑧】下半身の運動
筋肉は、体の中で熱を生み出す重要な組織です。
特に下半身の筋肉は、全身の血流を押し上げるポンプの役割を果たしています。
冷え性の方は、「運動不足 → 筋肉量低下 → 熱を作れない → 冷える」という負の循環に陥りやすい傾向があります。
1日10回×3セットのスクワット、1日10分のウォーキングなど下半身を中心に動かしましょう。
忙しい人は、「歯磨きをしながらスクワット」「エスカレーターではなく階段を使う」など今までの生活の動きの中に取り入れるようにすると無理なく続けられます。
【ケア⑨】無理なくできる温活ストレッチ
おすすめなのは、呼吸を止めずに行う、ゆっくりした動きです。
- ふくらはぎを伸ばす
- 足首を回す
- 股関節をほぐす
これらは、下半身の血流を改善しやすい部位です。
血液が心臓へ戻りやすくなることで、全身の巡りも自然と良くなります。
【ケア⑩】冷え性におすすめのツボ
ツボは、体の巡りを調整するスイッチのような存在です。
冷え性の方におすすめなのが、以下のツボです。
- 三陰交(さんいんこう):内くるぶしの上
- 関元(かんげん):おへそから指4本分下
三陰交は、血・水分・ホルモンバランスに関係するツボで、下半身の冷えや巡りをサポートすると考えられています。
関元は、陰陽五行では「生命エネルギーを蓄える場所」とされ、体の深部から温める意識づくりに役立ちます。
押すときは、痛気持ちいい強さで、呼吸をゆっくり行いましょう。
まとめ|冷え性は「習慣」で変えられる


冷えが和らいでくると、次のような変化も感じられるようになります。
- 肌の血色が良くなる
- 朝の目覚めが軽くなる
- 気分の波が穏やかになる
これは、血流や自律神経が整い、身体が“安心して働ける状態”に近づいているサインです。
冷え改善は、美容やメンタルにもつながっています。
体質を知り、食事・生活・心の使い方を少しずつ整えていくことで、身体は必ず変化を見せてくれます。
小さな一歩が、数ヶ月後、数年後のあなたの体をつくります。
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